投資コラム

不動産投資と株式投資の利益の出し方による違いについて

投資のグラフ

日本でも密かに投資ブームが沸き起こっています。昔から貯蓄が大好きな日本人ですが、株式市場の高騰やNISAなどの取り組みで少しずつ投資人口が増えています。投資と言えば「株式投資」が代表的ですが、近年は「不動産投資」も選択肢になっています。両者を比較する記事は多くありますが、正直、この二つの投資はまるで性格が違います。

この記事では、不動産投資と株式投資の特徴を比較していきます。

不動産投資と株式投資の収益の特徴について

投資の収益

投資で収益を得るときには「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類があります。インカムゲインとは保有を続けていることで発生する利益のことで、キャピタルゲインとは投資の対象になるものを売買することで発生する利益のことです。

不動産投資は保有しているだけで家賃収入という利益が得られますので、インカムゲインの獲得を主な目的とする投資だと言えます。株式投資は安い時に買って高くなった時に売ることで利益が得られるため、キャピタルゲインの獲得を主な目的とする投資になります。高度経済成長期やバブル期では、土地の価格は右肩上がりで上昇していたため、不動産投資はキャピタルゲインの獲得を主な目的とする投資でした。しかし、現在は不動産価格の大幅な上昇は一部の地域を除いて期待できないため、インカムゲインの獲得が主な目的になります。

株式投資も株式を保有していると配当金が分配されるため、インカムゲインの獲得も期待できます。しかし、赤字経営だと配当金の分配はなく、配当金が分配されても至って少額ですので、ほとんどの方はキャピタルゲインの獲得を目的に株式投資を行っています。

不動産投資と株式投資を比較すると、不動産投資は家賃収入というインカムゲインを確実に得ることができますが、株式投資は購入した株式が必ず上昇するという保証はなく、キャピタルゲインを得られない場合があります。よって、収益の安定性の面では不動産投資の方に軍配が上がります。

このように比較すると、例外こそあれ、基本的には「不動産投資はインカムゲインを目的とした長期投資」「株式投資はキャピタルゲインを目的とした短期投資」であることが分かります。そもそも両者は収益を得る方法・考え方から根本的に違うものだということを知っておくことをおすすめします。

不動産投資と株式投資の参入障壁の違いについて

投資参入を考える男性

不動産投資は富裕層を中心とした限られた人の投資手法と言うイメージが根強いです。しかし、サラリーマン大家という言葉が一般的になってきている通り、ローンを賢く利用することで誰でも大家さんになれるのです。ただし専門的な知識が必要で、投資金額が大きくなる一方で、得られる情報は少ないため、参入の決断をするのは難しいでしょう。また、物件選定からローン手続き、売買契約から将来の修繕まで考えると、事前に多くの情報を処理して分析・判断する必要があります。

その点、株式投資は情報が多く溢れており、証券口座をネットで作ってしまえば1週間後から投資を始めることができます。金額も数万円から始めることができますので、参入障壁は低いと言われています。

不動産投資と株式投資の流動性の違いについて

お金を得る男性

不動産と株式とを比べると、株式の方が流動性は高いです。不動産は流動性が低いため、売却するまでに時間がかかりますが、株式は株式市場で簡単に売買ができます。流動性の面では株式投資の方が圧倒的に有利であり、現金が必要になった時には所有している株式を株式市場で売却すると、4営業日後に現金を入手することが可能です。

あらゆる投資は失敗するリスクを抱えており、損失が発生して改善の見込みがない時には損切り(ロスカット)をすることで損害を最小限に抑えられます。流動性が高い株式は素早く損切りができますが、流動性が低い不動産は損切りが完了するまでに時間がかかります。損切りが素早くできる株式投資はリスク管理の面でも有利であり、不動産投資をする際には、撤退するまでに時間がかかることを前提に出口戦略を立てることが大切です。

不動産投資と株式投資のレバレッジの違いについて

レバレッジと書く男性

不動産投資の魅力の一つにレバレッジがあります。レバレッジとは少ない自己資金で大きな金額を動かすことを言います。

不動産投資では金融機関から融資を受けることでレバレッジを効かせることができ、元手となる自己資金が少なくても多大な利益が得られる場合があります。株式投資では現物取引だとレバレッジを効かせることができませんが、信用取引だと3倍のレバレッジを効かせることが可能です。

不動産投資の場合、5,000万円の収益物件を500万円の自己資金と4,500万円の借入金で購入した時のレバレッジは10倍になり、借り入れの比率を高めることで株式の信用取引を上回るレバレッジを効かせることができます。レバレッジを効かせた投資では不動産投資の方が有利であり、不動産投資の方が株式投資よりも効率の良い投資をすることが可能です。

このように、レバレッジを上手に利用することでスピード感のあるダイナミックな投資を始められるのです。これは土地・建物という現物資産に担保をかけられる不動産投資ならではの魅力です。

また、レバレッジを効かせるとハイリターンを見込めますが、レバレッジを高めるほどリスクも増大します。不動産投資の場合、調達コストを上回る収益を確実に上げられるのであればレバレッジを高くしても問題ありませんが、株式の信用取引では株価が下落すると確実に損害が発生します。急激に株価が下落した時にはロスカットが上手くできなくなり、借金を抱えて破産することもあります。

不動産投資と株式投資の税制上の優遇の違いについて

税金を考える人

投資で得た利益は課税対象になり、不動産投資の場合は5%から45%の所得税がかかります。株式投資の場合は、売却益に対して15.315%の所得税と5%の住民税を合算した20.315%の税金がかかります。

不動産投資で利益が出た場合は総合課税になるため、自営業を営んでいる方は事業所得と損益通算ができます。株式投資の場合は分離課税になりますので、不動産投資のような損益通算はできません。自営業者や会社経営者は不動産投資をすることで節税につながる場合があります。

株式投資の場合、NISA口座(小額投資非課税制度)を開設すると毎年120万円の非課税投資枠が設定され税金を0円にできますが、不動産投資の場合はNISA口座のような非課税制度はなく、最低でも5%の税率の所得税がかかります。しかし、修繕費や広告宣伝費などの経費を増やすことで節税ができます。

まとめ

投資の収益グラフ

いかがでしょうか?

不動産投資と株式投資、どちらがおすすめかという質問に絶対的な答えはありません。個々人の考え方や特性、目指す運用方針によってマチマチだからです。正しい知識を得たうえで、自分の資産運用方針を自分で考え、適切に投資しましょう。